当院でも新しい帯状疱疹のワクチンを開始しました。 一度帯状疱疹にかかっても再度、帯状疱疹が再発する可能性があることや、ご家族やご友人に帯状疱疹を発症しつらい姿をみてワクチン接種を考える方がふえております。ワクチンを接種することにより、帯状疱疹ウイルスに対しての免疫力を高め、病気の発症や重症化を抑えることができます。 水ぼうそうにかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります。当院でも2種類(生ワクチンと不活化ワクチン)の帯状疱疹ワクチンの投与を行っております。
当院では水痘ワクチンを使用していましたが、2021年9月から新しい帯状疱疹ワクチンである「シングリックス」を導入いたしました。シングリックスは2ヶ月以上開けて筋肉内に2回接種が必要です。シングリックスの帯状疱疹に対する予防効果は、50歳以上の方で約97%、70歳以上の方で約90%と報告されており、水痘ワクチンよりも有効性が高いと考えられます。アメリカ、カナダなど海外ではすでにシングリックスが主流となっております。シングリックスを注射すると、体の中で強い免疫を作ろうとする仕組みが働くため、多くの方に注射部位の痛みや腫れがあらわれます。シングリックス接種後7日以内に起こった主な副反応としては、注射部位の痛み78% 赤み38% 腫れ26%でした。多くは3日以内に収まります。
シングリックスは2回の接種が必要で、水痘ワクチンと比較すると接種費用が高額となりますが、50歳以上のいずれの年齢層でも高い帯状疱疹予防効果が示されており、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症を減らす効果も期待できます。当院ではシングリックス22000円/回 生ワクチン8000円/回でおこなっております。接種ご希望の際は、お問い合わせ下さい。
2023年7月から50歳以上の町田市在住の方には市から補助がでることになりました。シングリックスは1回1万円、生ワクチンは5000円の補助となります。