ED・AGA・男性更年期障害
ED・AGA・男性更年期障害
EDとは「勃起機能の低下」を意味する英語(Erectile Dysfunction)の略です。「性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態が持続再発すること」と定義されています。EDは40代前後から発症率が上昇する傾向があり、糖尿病、高血圧、動脈硬化、喫煙、肥満など生活習慣病も大きな原因といわれております。EDの低年齢化も進み、20~30代でも心因性のEDが増えています。その要因には性交時の緊張や不安、過去のトラウマ、仕事や人間関係のストレス、夫婦や家庭内のトラブル、妊活のプレッシャーなどがあげられます。
EDは原因によって、3つのタイプに分けられます。
精神的、心理的な要因でEDになるタイプです。比較的若い方にみられます。日々の生活の中で、過度なストレスやプレッシャー、トラウマなどがあると性的な刺激があってもうまく勃起できなくなります。心因性EDでは精神的、心理的な要因を解決することがポイントになりますが、必要に応じてED治療薬を服用して、自信を取り戻しつつ、パートナーとの関係を再構築していくことが治療のステップになります。
身体的な要因で血流や神経に何らかの異常があり、うまく勃起できない状態が器質性EDです。糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙、肥満などの生活習慣病で、血管に負担がかかり、動脈硬化を発症し、血流が悪くなることでEDが発症します。器質性EDでは、ED治療薬を服用しつつ、生活習慣を見直し、根本的な持病の治療をしっかり行っていくことが大切です。
器質性ED 心因性EDが混在し症状を認めることもあります。
治療は薬物治療が中心となります。ED治療薬は心臓の血管を拡張する作用もあるため、ニトログリセリンなど服用している場合は服用ができないため、内服薬の確認が必要です。
EDの治療にはPDE5阻害剤と呼ばれる内服薬が用いられており、日本ではSildenafil(商品名:バイアグラ)、Vardenafil(商品名:レビトラ)、Tadarafil(商品名:シアリス)の3種類があります。これらは、性的興奮を起こす催淫効果がある薬剤ではなく、勃起の発現や持続を助ける薬剤です。それぞれに内服方法、持続時間、効果発現時間に特徴があります。
ED治療は厚生労働省の認可を受けていますが保険は適用されていません。 診察費、薬剤費用など全額自費治療となります。
バイアグラ | 50mg/1500円 |
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バイアグラジェネリック | 1000円 |
レビトラジェネリック | 1500円 |
シアリス | 20mg/2200円 |
シアリスジェネリック | 1500円 |
AGAは、男性に最も多く見られる脱毛症で「男性型脱毛症」の略です。AGAは思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪がどちらか一方、または双方からうすくなり進行していくのが特徴です。
細くて短い髪の毛が多くなり、全体としてうす毛が目立つようになります。またAGAは何もしないでいると徐々に進行していきます。進行を抑えるためには早めのケアが大切です。
AGAは抜け毛・うす毛がゆっくりと進行していきます。 また、額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなります。毛包が十分に成長しないため、髪の毛が太く長く育たないうちに抜けてしまいます。ただし、AGAでは普通、うす毛になっていても、うぶ毛は残っています。毛包が存在している限り、髪の毛は太く長く育つ可能性がありますので決してあきらめる必要はありません。
状態を確認の上「脱毛症状」が確認できる場合は、治療についてご説明をいたします。 治療方法・効果・期間・副作用・費用をお伝えいたします。治療内容についてご理解をいただき、かつ治療の必要性がある方は、診察の上投薬治療を開始します。
当院ではザガーロジェネリックを院内処方しております。
男性更年期障害(LOH症候群)とは、男性ホルモンであるテストステロンの低下により、体や心、性機能などで様々な症状が現れます。一般的に30代後半から50代の方に多くみられます。
身体的には全身の疲労感や倦怠感、性欲低下、ED(勃起障害)、不眠、肩こりなど 精神的には気力の衰え、集中力の低下、イライラ、抑うつ、疲れやすいなど、症状は多岐にわたります。しかしその症状から、うつ病にも症状がよく似ており、心療内科、精神科での治療を試してもなかなか症状が改善しないこともあります。
問診、診察のほか、血中の男性ホルモン(テストステロン)の量を調べます。診断基準として、遊離型テストステロンが8.5pg/ml以上~11.8pg/ml未満の場合、男性ホルモンがやや低下傾向にあると判断され、さらに8.5pg/ml未満の場合、男性ホルモンが明らかに低いとされます。この遊離型テストステロンの採血は、午前中に行うことが推奨されています。
治療方法としては、生活習慣の改善のアドバイス、必要に応じて漢方薬の内服や筋肉注射による男性ホルモン補充療法を行う場合もあります。
前立腺がん 多血症、重度の肝機能障害、重度の腎機能障害、うっ血性心不全、重度の高血圧がある場合にはホルモン補充療法は実施できません。
日本で認可されている男性ホルモン注射はテストステロンエナント酸エステル(商品名:エナルモンデポ)です。残念ながら日本では「男性更年期障害」に対するエナルモンデポ注射は保険適応がみとめられておりません。男子性腺機能不全、造精機能障害による男子不妊症に対しては保険適応がみとめられております。男性更年期障害と診断されエナルモンデポ注射を行う場合には、基本的には自由診療での注射となります。ただし、患者さんの血液検査所見、身体所見などによっては、保険診療で行える場合もありますのでご相談させてください。
現在エナルモンデポ製剤が出荷調整中のため男性更年期障害の新規患者さんの受け入れができません。診断や漢方薬による治療は可能です。