性感染症について
性感染症について
性感染症とは性行為を介して感染しますが、初期は感染していても自覚症状に乏しく、気づかないこともあります。性的な行為には性器の接触による性交以外にも、オーラル(口の中)セックスやアナルセックスなどの性的な接触で感染する全てが含まれています。 放置して症状が進行すると、精巣炎、頚管炎や下腹痛などを起こしたり、不妊の原因になったりもします。主な性感染症には、クラミジア、淋病、トリコモナス、ヘルペス、淋病、梅毒、HIV(エイズ)などがあります。また、風邪などと違って人間に備わっている自然治癒では完治することはありません。いずれの感染症もコンドームを適正に使用することにより感染のリスクを減らすことはできます。性感染症を放置すると、一時的に症状が改善、消失することもあり、完治したと錯覚しがちですが、実際は病原菌が体内に残留していることも多く、パートナーへの感染や不妊症の原因にもなります。
当院では性病の即日検査には対応しておりません。結果には約3日間かかります。ご了承ください。
当院では女性の性病検査は行っておりません。大変申し訳ございませんが婦人科の受診をお願いします。
性病検査を希望の患者さんは正確な診断を行うため最後の排尿から1時間以上たってからの検尿をお願いしております。
感染してから症状が出るまで:1~4週間程度
男性は尿道に痒みやかるい排尿時通まで症状は様々です。20%の患者は自覚症状がありません。女性は帯下が増えて腹痛を起こしやすくなるものの、感染に気づかないこともあります。不妊症の原因にもなります。尿をPCR検査に提出し感染しているか判定します。結果判定までは約3日間かかります。治療は抗生剤の内服によっておこないます。直腸や咽頭に感染することもありますが自覚症状はほとんどありません。
感染してから症状が出るまで:2~7日程度
感染すると、男性は排尿の際に激しい痛みが走り、黄白色の膿が出ます。まれに自覚症状に乏しい患者もいます。女性はおりものが多くなります。尿をPCR検査に提出し感染しているか判定します。結果判定までは約3日間かかります。不妊症の原因にもなります。薬剤耐性化がすすんでおり内服での治療が困難のため、点滴や注射の治療を行います。喉に淋病が感染すると痛みや違和感を認めることがあります。
感染してから症状が出るまで:1~10日程度
汚れた手のまま性器に触れると、尿道から雑菌が入ることにより発症します。男性は排尿時に痛みをともないます。女性の場合、膀胱炎として症状が発症します。清潔にしておくことが、重要な予防法になります。
潜伏期間:3日~1週間程度
ヘルペスの病変部と接触することによりヘルペスウイルスが感染し発症する性感染症です。男女とも性器に小さな水泡が多数でき、痛みをみとめます。ヘルペスウイルスに一度感染してしまうと、その後は体調の悪化により再発することがあります。診断は採血や視診によっておこないます。再発の頻度にもよりますが再発予防の内服治療もあります。
感染してから症状が出るまで:3ヶ月~1年程度
尖圭コンジローマは、性器や肛門のまわりにイボができる性感染症です。ヒト・パピローマ・ウイルスが感染することにより発症します。当院では液体窒素塗布とベセルナ軟膏の塗布などによって治療を行います。治癒するまで数ヶ月の時間が必要になることもあります。感染しているかを調べる採血方法はありません。視診によって診断します。
感染してから症状が出るまで:3週間~3ヶ月程度
性器の皮膚や粘膜から、トレポネーマという病原菌が侵入することで発症する性感染症です。第1期は性器に痛みをともなわない硬いしこりができ、第2期になると全身(特に手足)にバラ疹とよばれる湿疹をみとめます。男女とも無症状のこともあります。抗生剤の長期間の内服やステルイズの筋肉注射により治療を行います。 感染しているかどうか、治療の判定は採血でおこないます。 思い当たる行為から1ヶ月以上たってからの採血によって初回の診断をします。
感染してから症状が出るまで:3ヶ月~数年程度
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞を破壊し、免疫不全を起こす病気です。HIVに感染しただけでは健康な状態と変わりません。しかし一度発症すると、体重の減少、肺炎、下痢などの日和見感染状が発症し、未治療の場合だと死に至ることもあります。思い当たる行為から1ヶ月以上たってからの採血によって診断します。
カンジダ症は、体内に存在するカンジダという真菌によって発症します。常在菌のためストレスなどの体調の悪化によって自然発症します。カンジダ症は女性の方が発症する確率が高く、外陰部が赤く腫れ、かゆみなどの症状もみとめます。皮膚の培養検査をおこない、定期的な洗浄や軟膏の塗布によって治療します。
感染してから症状が出るまで:1~3週間程度
トリコモナスは、トリコモナス原虫の感染によって発症する性感染症です。トイレの便座などからも感染することがあります。女性の場合、外陰部にかゆみや灼熱感があったり、おりものが増えたりします。男性の場合は感染する確率はひくいですが、排尿時に軽い痛みをともないます。感染に気づかない場合がおおいです。検尿によって検査を行い、内服薬によって治療します。
感染してから症状が出るまで:1~6ヶ月程度
B型肝炎ウイルスの感染によって発症します。発病の初期は体のだるさ、尿の色が濃くなるなどの症状が出ます。全身に黄疸をみとめるようであれば入院治療が必要です。思い当たる行為から1ヶ月以上たってからの採血によって診断します。ワクチンによって予防できる性感染症のひとつです。
感染してから症状が出るまで:2週間~3ヶ月程度
C型肝炎ウイルスの感染によって発症する性感染症です。主に血液を介して感染します。C型肝炎は、放置しておくと「肝硬変」や「肝臓がん」に進行します。自覚症状が軽く、感染に気づいていないケースが多いため、注意が必要です。思い当たる行為から1ヶ月以上たってからの採血によって診断します。
感染してから症状が出るまで:1週間~1ヶ月程度
クラミジアでもない淋病でもないあらたな性感染症の原因菌が最近わかってきました。症状はクラミジア感染症にもよく似ており、認知度も低いため検査を受けられる方が少ないうえに感染に気がついていないことも多いです。当院でも咽頭、尿のPCR検査により感染の有無をしらべます。保険適応がなく自費8800円税込みとなります